アルツハイマー病に次ぐ患者数の脳の変性疾患
パーキンソン病症状改善効果が世界的医学誌に掲載

The effect of Scallop-derived Plasmalogens on Parkinson's disease.

ホタテ由来プラズマローゲンの新しい機能

ホタテ由来プラズマローゲンのパーキンソン病症状改善効果

表1

プラズマローゲンは、体内のほぼすべての組織に存在する、人体のリン脂質の約18%を占める天然成分です。1995年にアルツハイマー病患者の脳(死体脳)ではプラズマローゲンが減少しているという研究が発表され、この減少したプラズマローゲンを補うことで、認知症改善のカギになるはずと研究が重ねられてきました。その結果、抗神経炎症作用、神経細胞死抑制作用、学習記憶改善作用があることが解明されています。

さらに、臨床試験では、軽度アルツハイマー病および軽度認知障害(MCI)患者への記憶機能への作用や、中等度・重度の認知症患者の認知機能への作用が解明されており、さらには認知症による幻覚、抑うつ、徘徊などの周辺症状への作用が解明されています。

ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取による
パーキンソン病患者の血中プラズマローゲン量、症状の改善

2020年、ホタテ由来プラズマローゲンの摂取効果に関する様々な研究活動を行い、アルツハイマー病の認知機能改善など多くのエビデンス持つ、一般社団法人プラズマローゲン研究会のパーキンソン病患者への研究論文が、世界的医学誌「Parkinson’s Disease」に掲載されました。
掲載論文:S. Mawatari, et. al., Parkinson’s Disease2020 : 2671070(2020).
https://doi.org/10.1155/2020/2671070

(株)ビーアンドエス・コーポレーションは、当研究にホタテ由来プラズマローゲン含有カプセルを提供しました。

はじめに
パーキンソン病とは

パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで2番目に多い脳の変性疾患です。現在の患者数は約15万人で、日本での患者割合は約1,000人に1人。50代ごろから発症し、年齢とともに患者数は増加していきます。

パーキンソン病の主な症状

運動症状、非運動症状の2つに分けられます。

  • ①運動症状
    1. 4大症状として「振戦(しんせん)<ふるえる>」「固縮(こしゅく)<かたい>」「寡動(かどう)・無動(むどう)<おそい>」「姿勢反射障害<ころびやすい>」があげられます。
      ・・・ 運動症状に対しては、脳内で不足するドーパミンを補う薬剤を使う薬物療法が中心になります。
  • ②非運動症状
    1. 睡眠障害、うつ・無関心・幻覚・妄想などの精神障害、認知機能障害、便秘、頻尿や排尿困難などがあります。
      ・・・ 非運動症状に対する有効な薬剤は存在していません。患者本人の日常生活や家族、介護者に大きな影響をもたらすことから、これらの症状を緩和する、抑えることは重要であると考えられています。

試験内容

試験方法

14名のパーキンソン病患者(最終的に10名が試験終了)に対し、ホタテ由来プラズマローゲン含有カプセルを1日あたり2カプセル(ホタテ由来プラズマローゲン1mg相当)を、24週間にわたり経口摂取。また、24週間以降の非摂取期間(4週間)を設け、その期間についても観察。

試験項目
  • (1)血中プラズマローゲン量
    1. 血しょうと赤血球膜中のプラズマローゲン量をホタテ由来プラズマローゲン摂取前と摂取後で比較。
  • (2)パーキンソン病患者特有の健康項目評価
    1. <QOL:quality of life(生活の質)調査票 ※以下、PDQ-39>
      PDQ-39とは、パーキンソン病患者のQOL(生活の質)を評価する代表的な方法で、評価項目は8つに分かれる。
    1. ①可動性(運動能力)
    2. ②日常生活活動(ADL)
    3. ③精神的な健康観(情緒的健康)
    4. ④病気であることによる精神的負い目(スティグマ:恥辱)
    5. ⑤社会的支援
    6. ⑥認知
    7. ⑦コミュニケーション
    8. ⑧身体的不快感
    9. これらに関する39の質問から構成されており、各質問に対し、「0:まったくなかった」〜「4:いつもあった」の5点法で評価を行う。

試験結果

  • (1)血中プラズマローゲン量
    1. ■血中(血しょう中、赤血球膜中)のプラズマローゲン量の変化
グラフ1:血しょう中のプラズマローゲン量
グラフ2:赤血球膜中のプラズマローゲン量
  • <結果Ⅰ>
    1. パーキンソン患者の血しょうおよび赤血球膜のプラズマローゲンは正常者よりも有意に少ないことがわかった。
  • <結果Ⅱ>
    1. ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取により、血しょう中、赤血球膜中のプラズマローゲン量が増加し、24週間の経口摂取により血しょう中、赤血球膜中ともにプラズマローゲン量は正常レベルになった。
  • <結果Ⅲ>
    1. ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取を中止すると、血しょう中、赤血球膜中のプラズマローゲン量が低下傾向になることがわかった。
  • <考察>
    1. パーキンソン病患者の血中には高い酸化ストレス(酸化により引き起こされる体にとって有害な作用)がある可能性が指摘されています。パーキンソン病患者の血中のプラズマローゲン量の低下は、プラズマローゲンが抗酸化物質として作用した結果であり、プラズマローゲンが細胞を酸化する可能性があると考えられます。
  • (2)パーキンソン病患者特有の健康項目評価
  • <結果>
グラフ3:PDQ-39総得点
ホタテ由来プラズマローゲン摂取によるパーキンソン病特異的QOL指標(PDQ-39)の変化
  • <考察>
    1. 24週間の経口摂取により、全てのQOL指標で改善が見られました。この症状の改善と、血しょう中、赤血球膜中のプラズマローゲン量の増加がほぼ相関していたことから、ホタテ由来プラズマローゲンを経口摂取し、プラズマローゲン量を増やすことで、生活の質を改善し、非運動症状を緩和することができると考えられます。

まとめ

高齢化に伴い、2025年には国内の患者数が700万人となるといわれている認知症。この認知症とともに患者数の増加が予想されているのが、パーキンソン病です。

現在パーキンソン病は、厚生労働省に難病指定されており、神経難病の中では最も患者数が多いとされていますが、残念ながら根本治療はできません。パーキンソン病は、いかに運動症状や非運動症状を緩和させ、進行を緩やかにするかが重要であるといわれています。

対処方法は薬物療法が一般的です。非運動症状に対する治療薬はまだありませんが、運動症状に関しては治療薬が増えて選択肢も増えています。これにより、症状のコントロールがしやすくなり、患者の平均寿命が延びたといわれています。一方で、この治療薬の増加によって処方される薬の種類も増加傾向にあります。その薬による様々な副作用がみられることも報告されており、非運動症状とともに、生活の質を著しく低下させる大きな原因となっています。これは、患者本人はもちろん、家族や介護者の負担になってしまうことも事実です。

プラズマローゲンはヒトを含む、あらゆる生物が持っている天然成分(リン脂質)です。今回のヒト試験により、以下のことがわかりました。

☑ パーキンソン病患者のプラズマローゲン量は減少している
☑ ホタテ由来プラズマローゲンを経口摂取することで、減ってしまったプラズマローゲンを正常値まで増やすことができる
☑ プラズマローゲンを増やすと、生活の質を改善、非運動症状の緩和が期待できる

薬ではない天然成分でかつ、経口摂取で症状の改善が認められた「ホタテ由来プラズマローゲン」がパーキンソン病患者そしてご家族の希望の光になることを願っています。

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