すこやか春夏号No.20
6/16

いないこと、もう一つは長期的にストレスがかかり続けることが自律神経の乱れる原因と考えます。事」「休息」があります。現代はこの3つがバランスよくできていない人が多いです。 「運動」不足は筋肉不足につながり、熱をつくりづらくなり、体は冷えます。「食事」が悪ければ、体に必要なものがつくれません。起きている時間が長くなれば、余計なエネルギーを使い、十分な「休息」はとれないことになります。こういった不自然な生活は身体にとってストレスとなっています。そこに、人間関係や仕事、加齢や情報過多といったストレスが日々かかることで、徐々に自律神経は乱れていくのです。一つは規則正しい生活ができて健康の3要素として「運動」「食ストレスがかかって交感神経が優位な状態になると免疫細胞のうち、顆粒球が増え、リンパ球が減ります。顆粒球には体外から侵入した細        6菌などの異物を活性酸素を出しながらやっつけるはたらきがあります。そのため、顆粒球が増えると、それにともなって活性酸素も増加します。活性酸素は本来、異物を攻撃しますが、過剰になると細胞を酸化させ、細胞の正常な働きを失わせてしまいます。結果、老化や動脈硬化、認知症などの病気の引き金にもなります。また、リンパ球には体にウイルスのような異物との闘いの記録を残して、異物が再び侵入したら速やかに対処できるよう備えるはたらきや、初期のがんを見つけて退治してくれるはたらきもあるので、交感神経優位でリンパ球が減ると、ウイルス感染症やがんになりやすくなるといえます。ただし、副交感神経に偏りすぎて、リンパ球が過剰になると、抗原に敏感に反応しやすくなり、アレルギーが起こりやすくなります。血の巡りも悪くなり、さまざまな不調につながってしまいます。つまり、自律神経の乱れた状態が長引くと病気に近づくことになるのです。自律神経をととのえる西洋薬というのは基本的にありません。それでも、訴えのある症状を取るために睡眠薬や抗不安薬などが出され、交感神経に傾いた身体を無理やりに副交感神経優位にしようとする治療法がとられることもあります。しかし、結局は薬による症川嶋朗先生に教えていただくなぜ、現代人は自律神経が乱れやすいのでしょうか?自律神経と病気のかかわりについて教えてください自律神経の乱れと現代の医療について教えてください交感神経優位で増加体内に侵入した病原菌や異物を発見・攻撃する。増えすぎると活性酵素が細胞を傷つける副交感神経優位で増加獲得免疫を担当し、体内に侵入した有害な抗原を無害化する。低下するとがんになりやすいドクターに聞く編自律神経と病気との関係顆粒球自律神経に関わる白血球(免疫細胞)バランスが大切!リンパ球

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る