すこやか22号
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腸が睡眠の質に関係?睡眠不足で腸内環境が変化?腸内環境が眠りに影響?睡眠と腸の深深~~いい関係メラトニンセロトニン腸から吸収されて脳へセロトニンの原料トリプトファン睡眠ホルモンであるメラトニンの生成には、「トリプトファン」というアミノ酸が必要です。トリプトファンは、体内で合成できないため、食事で摂るしかありません。肉や魚などに含まれるタンパク質を分解・合成し、トリプトファンをつくるのは、腸、特に腸内細菌の仕事です。腸でつくられたトリプトファンやその代謝産物(セロトニンの原料)は、脳へ運ばれ、セロトニンに変換されたのち、さらにメラトニンへと変換されます。睡眠ホルモンの材料を脳へ届けるのが睡眠における腸の役割の一つです。 「ついつい夜更かしをしてしまう…」、「忙しくて睡眠時間が少なく…」、なかなか解消できない睡眠不足。眠気、頭痛、倦怠感、イライラのみならず、集中力や免疫機能の低下など様々な体の機能不調の原因となります。最近では、睡眠不足が腸内細菌叢に影響し、その構成を変化させることもわかってきました。また、睡眠時間が短い人は、腸内で作られる抗菌物質(αディフェンシン)が少なく、腸内細菌が作る短鎖脂肪酸も減るという報告があります。睡眠不足によって腸内細菌やその代謝のバランスが崩れると、免疫力の低下、肥満、糖尿病、高血圧など様々な体調不良につながると考えられています。睡眠の状態が腸内環境に影響しますが、実はこの逆もあります。腸内細菌を取り除いたマウスは、神経伝達物質の合成に関係するアミノ酸の代謝が大きく変わり、セロトニンやビタミンBなどが減少します。こうした変化の他にも、睡眠状態にも影響が現れます。腸内細菌を取り除いたマウスでは、本来眠るはずの時間に活動が増え、逆に活動する時間に眠るといったように、昼腸  脳-   8睡眠不足で腸内環境が乱れる?腸内環境がととのうと睡眠の質が良くなる?実は、睡眠と腸内環境は互いに影響しあう相互な関係なのです。腸を意識することが良質な睡眠のための近道なのかも。食事タンパク質腸内細菌心の安定快眠

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