乳酸菌生成エキス×アスリート
腸内環境改善
持久系アスリートの腹部コンディショニングと「乳酸菌生成エキス」
~中長距離陸上選手で効果を確認①~
中長距離陸上選手の腹部コンディショニングへの乳酸菌生成エキスの有効性について調査結果をご紹介します。
意外と多い?!
中長距離選手の腸の悩み
マラソンランナーや中長距離陸上選手は、下痢や膨満感、過敏性腸症候群のような症状など、胃腸障害を有している場合が多く、競技中に腹部(腸)ダメージを訴える選手は30~50%いるといわれています。
これは競技時間の長さや競技のハードさによる身体への負担が大きいことが原因です。競技中の内臓虚血(筋肉の酸素供給が優先されて、腸に血液がまわらなくなり、腸けいれんがおこる)や精神活動の変化(生理学的)、消化器官の揺れ(物理的)が腸へのダメージにつながるからです。こうした要因により、腸管機能が低下することで栄養吸収不良になり、運動能力も低下し、加えて腸管上皮が損傷することで炎症や出血が起こり、腸のバリア性も低下していくなどが予想されます。さらに、これらがメンタルダメージにもつながっていきます。
だからこそ競技中の腸ダメージ予防に、腸トレーニングの必要性が叫ばれているのです。
「乳酸菌生成エキス」の中長距離選手における
腹部コンディションの改善効果
日本オリンピック委員会(JOC)の情報・科学サポート部門長で、前回、アスリートのコンディショニングと腸内環境についてお話をお伺いした、日本体育大学教授博士(学術)の杉田正明先生は、女子実業団チームの「乳酸菌生成エキス」の飲用変化などの実績もあったことから、中長距離選手を対象に調査を行いました。内容は、腸内環境改善効果が期待される「乳酸菌生成エキス」の腹部コンディショングにおける有効性についてです。
「乳酸菌生成エキス」の有効性
第29回日本トレーニング科学大会(2016年)にてポスター発表
試験方法
被験成分:乳酸菌生成エキス 希釈タイプ
容量・期間:20ml/1日 連続12週間
試験デザイン:飲用前と飲用12週後との比較によるオープン試験
コンディショニングに関する意識調査
●試合前後に実際に胃腸に不調を感じている選手は約40%に上った。
主観的健康状態の変化①
→乳酸菌生成エキスは腸内環境や腸管機能を改善した可能性がある。
試合前に下痢になりやすい選手の症状の変化
意識調査で「試合前に胃腸の状態に不調を感じることが多い」と回答した16名中、「試合前に下痢ぎみになる」と回答した選手は13名に上った。
そこでこの13名を抽出し、乳酸菌生成エキス飲用前と飲用4週間毎の試合前の下痢症状に関する主観的評価を比較した。
→乳酸菌生成エキス飲用による腹部症状の改善に伴い、体調が改善したと考えられる。
まとめ
本調査により、胃腸の状態が競技成績やコンディショニング大きく影響すると考えている選手が多く、競技を行う上で胃腸の調子ととのえることが重要であることが明らかになりました。
乳酸菌生成エキスの飲用後調査では、継続摂取することにより、腹部症状である便秘や残便感、便臭やおならの臭いに改善が見られました。これは腸内環境や腸管機能が改善したものと考えられます。加えてこの影響から、全身疲労感や肌の調子も改善され、腹部症状のみではなく、全身症状も好影響を及ぼすことがわかりました。
よって、乳酸菌生成エキスは、アスリートの腹部コンディショニングに有効であり、競技パフォーマンスの発揮にも大きく影響することが示唆されました。
では、乳酸菌生成エキスを摂取することで、体内では何か起こっているのでしょうか。次回は、代謝と腸内微生物叢の観点から体内での摂取による変化をご紹介します。