乳酸菌生成エキス研究室乳酸菌生成エキス研究室
腸まもる君の
腸内フローラをととのえよう

第2章: 腸内細菌を増やす!

  • 【1】腸内細菌のはたらき
  • 【2】減り続けている日本人の腸内細菌
  • 【3】腸内細菌を増やすのに、なぜ食物繊維なの?
  • 【4】腸内細菌を増やす食物繊維をとろう

【1】腸内細菌のはたらき

腸内フローラの主役である腸内細菌。まず、その働きについて簡単にお伝えしましょう。

腸内細菌たちは、宿主である私たちに、次のような実にさまざまなことをしてくれています。

  • ①食べ物を消化する
  • ②栄養素を体内に吸収する
  • ③ビタミンや酵素、ホルモン、短鎖脂肪酸など体によい成分を作る
  • ④外から侵入する敵(病原菌やウイルス)から体を守る
  • ⑤化学物質を解毒する
  • 排泄をサポートする
  • 血液をきれいに保つ

それだけではありません。ドーパミンやセロトニンといった「幸せホルモン」の前駆体(前段物質)を腸内でつくりだすのも「腸内細菌」です。

腸内細菌が少なければ、幸福感も得られず、イライラや不安につながり、うつにまで発展することさえあります。

(腸内細菌の詳しいはたらきは→腸の7つのはたらき)

【2】減り続けている日本人の腸内細菌

それほど大切な腸内細菌なのに、今、私たち日本人の腸内細菌は減り続けています。

突然ですが、ここで質問です。あなたの便は大きいですか?

「小さいかも」と思った方は、腸内細菌の量も少ないと思ってよいでしょう。なぜなら、腸内細菌の数は、便の量と深く関係しているからです。便の約半分は、腸内細菌(死んだものと生きているもの)で構成されています。

日本人の便量は、戦前と比べると、約3分の1の量になってしまいました。便の半分は腸内細菌ですから、便が減っているということは、当然、腸内細菌も減っているということ。つまり、80年前の人と比べると、現代人は、腸内細菌が作り出すビタミンや酵素、短鎖脂肪酸などの有益成分もうまくつくり出せず、外からやってくる病原菌やウイルスを撃退する免疫力も低下してきているということになります。

便の量が減ってきた大きな要因は、肉類の摂取の増加、特にハンバーガーなどのジャンクフードが日常生活に入ってきたため、野菜不足、食物繊維不足になってしまったからです。

日本人の食生活がすっかり欧米化したことで、食物繊維の摂取量が極端に減ってしまいました。1日あたり食物繊維27gとっていた50年代に比べ、現在は半分以下のたった12g。それにともない便の量も減り続けているわけです。

【3】腸内細菌増やすのに、なぜ食物繊維なの?

腸内細菌にとって、食物繊維はとても大切なものです。なぜなら腸内細菌が好んで食べる一番のエサが食物繊維だからです。エサをたくさんとれば、腸内細菌の総量も(便の量も)増えます。

それだけではありません。ヤセ菌といわれているバクデロイデス門の腸内細菌は、この好物の食物繊維を発酵して、「短鎖脂肪酸」という物質をつくり出します。これは、大腸の健康はもちろん、アンチエイジングや病気予防にはたらく、実に万能な有益成分です。

◆「短鎖脂肪酸」がしてくれること

  • ・小腸で吸収しきれなかった水やミネラルを吸収
  • ・腸粘膜のバリア機能を高める
  • ・大腸内での有害菌増殖の抑制や免疫機能の調整
  • ・ぜん動運動を促し、便秘を防止
  • ・活性酸素の害(カラダの酸化)を軽減する
  • ・肥満予防、糖尿病予防にはたらく

繰り返しになりますが、この有益成分である「短鎖脂肪酸」は、腸内に“食物繊維”があってこそ腸内細菌がつくり出してくれるものです。ですから、私たちは不足しがちな食物繊維を心がけて1日20gを目標に摂取することが大切なのです。

【4】腸内細菌を増やす食物繊維をとろう腸内フローラ

腸内細菌に不可欠な食物繊維は、大きくわけて「不溶性食物繊維」「水溶性食物繊維」の2種類に分けられます。

不溶性食物繊維は、便のカサを増すだけでなく、不要物をキャッチすることに働きます。

水溶性食物繊維は、便の水分を保持して排便のスムーズさに役立ちます。

不溶性食物繊維は、玄米などの穀類、大豆やインゲンなどの豆類、ゴボウなどの根菜類、エビやカニの表皮にも含まれます。これらは水に溶けず、腸内で水分を吸収してふくらみ、腸の蠕動運動(便を押し出そうとする運動)を盛んにします。そして腸の中にある残りかすなどを絡めとり、便秘も予防してくれます。

腸内細菌のエサになるのは、主に水溶性食物繊維です。リンゴやミカンといった果物、イモ類、キャベツやダイコンなどの野菜類、昆布やわかめなどの海藻類に含まれています。水に溶けるために腸内で水分を含んでねばりのある状態になり、有害物質を便として排出してくれます。また食後の急激な血糖値の上昇を防ぎ、コレステロールの吸収を抑えて代謝を促してくれます。

「水溶性」、「不溶性」、どちらの食物繊維もバランスよくとることが、よい腸内細菌バランスや、よい便につながります。 1日20gを目安に食事の中で上手に取り入れたいものです。

そうはいっても、「1日20gもの食物繊維なんてなかなかとれないよ」という方も多いはず。そんな場合には、サプリメントで補うのが有効です。

私も野菜不足は否めず、1日の食物繊維摂取量は半分くらいなので、その分、サプリに頼っています。

私のイチオシは、「乳酸菌生成エキス」。 これは、飲むと善玉菌が増え、腸内細菌全体の総量も増えて、さらには短鎖脂肪酸も増える、といったことがヒトの飲用実験でわかっています。

手軽に、良好な腸内環境を維持することが期待できます。(乳酸菌生成エキスとは)

-----------次の第3章では、食物繊維をとること以外に、腸内フローラ(腸内環境)をととのえる生活習慣などについてお話ししましょう
参考文献:『腸・健康法』 藤田紘一郎著(PHP研究所)
『藤田式かしこい腸の育て方』 藤田紘一郎著(笠倉出版)
『腸内細菌が支える、腸の7つのはたらき』
藤田紘一郎、貴家康尋 監修 (NPO法人レックス・ラボ)
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腸まもる(45歳)

腸まもる(45歳)

腸まもる(45歳)

某研究所で、腸内細菌研究にいそしむ腸オタク。腸の大切さを啓蒙していくことを喜びとしている。

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