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認知症とプラズマローゲン

世界が認めたアルツハイマー型認知症症状の改善効果

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プラズマローゲンとアルツハイマー型認知症の関係

私たちの体は約37兆個もの細胞でできています。プラズマローゲンは、その細胞で重要な役割を果たす細胞膜を構成するリン脂質の一種で、脳や心臓などの酸素をたくさん消費する部位の細胞に多く存在しています。 プラズマローゲンが特に脳の認知機能との関係が注目されるようになったのは、海外の研究で1995年、1999年にアルツハイマー型認知症の死体脳(前頭葉、海馬)でプラズマローゲンが減少していることが報告されてからです。
さらに、2007年にはアルツハイマー型認知症患者の血清中のプラズマローゲンが減少していることが証明され、その後、アルツハイマー型認知症患者の症状の重症度と赤血球膜のプラズマローゲン濃度が比例することが明らかになっています。

軽度アルツハイマー型認知症と軽度認知障害(MCI)を対象とした プラズマローゲンの二重盲検試験

プラズマローゲンの研究と成分開発の第一人者である藤野武彦先生(九州大学名誉教授)グループは、いち早くプラズマローゲンに注目し、多くの研究結果を発表しています。その中でも世界的医学誌「EBio Medicine」※1に掲載され、アルツハイマー型認知症の改善を示唆する結果が出た試験をご紹介します。 ※1 EBio Medicine:世界五大医学雑誌のひとつ「Lancet」の姉妹誌で、世界的に権威のある医学誌。

無作為抽出二重盲験試験(RCT)が意味すること

試験には多くの種類があります。今回のアルツハイマー型認知症の改善を示唆する結果が出た試験方法は、無作為抽出二重盲験試験(RCT)というもので、医学におけるもっとも厳しい試験方法の一つです。 対象の疾患患者を無作為に実薬群とプラセボ群(偽薬のこと。本物と同じような性状・外見をしているが、調べたい成分が入っていない)に分けて投与物質の効果を科学的に評価する臨床試験法です。実薬・プラセボ、どちらを投与されているかは、医師(観察者)および被験者(患者)どちらも不明にして行います。 ランダムに決めることで割り付けにまつわる疑いを晴らすことができるので、RCTによる実験結果は信憑性の高い、エビデンスのある情報といえます。

軽度アルツハイマー型認知症および軽度認知障害の患者における プラズマローゲンの経口投与による有効性と血中プラズマローゲンの変化

試験スタイル 無作為抽出二重盲験試験(RCT)
対象 全国25施設の軽度アルツハイマー型認知症患者と 軽度認知障害(MCI)の328名(60~85歳) ※試験完了者276名(プラズマローゲン群140人、プラセボ群136人)
実施期間 2014年11月~2016年4月(6ヶ月/24週)
摂取量 (経口摂取) プラズマローゲン群:ホタテプラズマローゲン 0.5mg2包/1日
プラセボ群:ホタテプラズマローゲン 0mg2包/1日

軽度アルツハイマー型認知症患者の改善結果

軽度アルツハイマー型認知症患者の「学習記憶障害」が有意に改善

WMS-R(ウエクスラー記憶検査)※2で、プラズマローゲン摂取群はプラセボ群と比較して、記憶に有意な改善が認められました。(図3)プラズマローゲンが記憶機能改善に有効である可能性が示唆されました。 ※2 WMS-R:国際的によく使用されているウエクスラー式の記憶検査。言語を使った問題と図形を使った問題で構成され、13の検査があります。「一般的記憶」と「注意/集中力」の2つの主要な指標、および「一般的記憶」を細分化した「言語性記憶」と「視覚性記憶」の指標が得られます。

軽度アルツハイマー型認知症患者の血中のプラズマローゲン濃度が変化

血漿中のプラズマローゲン濃度を、プラズマローゲン摂取群とプラセボ群とで摂取開始24週後に比較すると、プラズマローゲン摂取群が有意に高値であることが認められました。軽度アルツハイマー型認知症患者の血漿中のプラズマローゲン濃度は経過とともに減少すること、プラズマローゲンの摂取は、その減少を抑えることができる可能性が示唆されました。(図4)

軽度認知障害(MCI)患者の改善効果

軽度認知障害(MCI)患者の認知機能改善に効果

また、この試験の対象者のうち、178人の軽度認知障害(MCI)の患者のミニメンタルステート検査-日本版(MMSE-J)を用いた試験も行われました。MMSE-J※3各項目について24週間の点数変化を検証したものです。 ※3 MMSE-J:認知障害の重症度を見出し、評価・記録するための世界的にスタンダードな試験です。 短時間かつ簡単に実施ができるので、認知障害のスクリーニング検査として最適とされています。 この結果は、Journal of Alzheimer’s Disease & Parkinsonismに掲載されました。

MCI(軽度認知障害)におけるMMSE-Jの変化

■MMSE-J<総得点>
MMSE-J総得点は、プラズマローゲン摂取群では統計的に有意に改善(上昇)しましたが、プラセボ群は有意に改善することはありませんでした。
■MMSE-J<時間の見当識>
時間の見当識は、プラセボ群は摂取終了時に有意な悪化が確認されましたが、プラズマローゲン摂取群では悪化が確認されませんでした。
<時間の見当識とは> 時間の見当識の障害は、MCI患者で多く出る症状のひとつです。今日の年月日や曜日、時間、季節を間違える事が多くなり、遅刻をする、外出の準備ができない、季節に合った服装を選ぶことができないなどの症状がみられます。
■MMSE-J<場所の見当識>
場所の見当識は、プラズマローゲン摂取群は有意な改善が見られましたが、プラセボ群では改善は見られませんでした。その群間差は、統計的に有意だったことが確認されています。(p=0.003)
<場所の見当識とは> 場所の見当識の障害は、通い慣れた場所までの道順が分からなくなる、外出した際に自分がいる場所がわからなくなり家に帰れなくなるという症状です。場所への認識も薄れ、病院に行っても病院だと認識できなくなったり、また、家の中でもトイレの場所、自分の部屋などを間違えるようになります。
これらの結果は、ホタテプラズマローゲン1mgの経口摂取が、経度認知障害(MCI)患者の認知機能、特に場所の見当識を高めることを示唆しています。

アルツハイマー型認知症患者の希望の光にーまとめ

これらの試験は、軽度アルツハイマー型認知症および軽度認知障害(MCI)の患者に、ホタテプラズマローゲンを経口投与することによる記憶や認知機能および血中プラズマローゲン量の変化に対する有効性に取り組んだ前例のない試験です。結果はホタテプラズマローゲン(1mg)の経口摂取が、軽度のアルツハイマー型認知症や軽度認知障害(MCI)の患者の記憶や認知機能を改善する可能性があることが示唆された、というものでした。 軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー型認知症になると、記憶や認知機能をはじめ、周辺症状と言われる幻覚、徘徊などの症状がどんどん進行していきます。現在の医学では、この進行を遅らせることを目的とした治療が大半といえます。今回の試験結果は、記憶や認知機能の維持のみならず、改善に有効であることを示唆していることから、今までにはない対処方法として注目を集めていくことでしょう。
▶▶▶試験で採用されたホタテプラズマローゲンとは? ご紹介した試験で採用されたホタテプラズマローゲンは、ホタテ貝から特許技術で75%以上の高純度で抽出されたプラズマローゲンです。プラズマローゲンの有効性が認められた試験は、すべてこの高純度抽出されたホタテプラズマローゲンが使用されていることからも、この「純度」が重要であると考えられています。
■藤野 武彦(ふじの たけひこ)先生
九州大学名誉教授。医学博士。 九州大学医学部卒業以来、九州大学医学部第一内科において、内科とくに心臓・血管系の病気の研究を行う。また、「健康科学」という新しいサイエンスにも挑戦。その成果の一つとして1991年に「脳疲労」概念を提唱。「脳疲労」を解消し脳を活性化する手法であるBOOCS(ブックス)理論を創出。 このBOOCS法は、新たな生活習慣病の予防および治療法として、そのユニークさと成功率の高さが注目されマスコミにとりあげられた。 この長年の脳疲労研究を続けるなかで、「プラズマローゲン」という物質が、認知症を予防、改善する効果があることも突き止め、今、大きな注目を浴びている。