乳酸菌生成エキス研究室乳酸菌生成エキス研究室
腸博士・藤田紘一郎先生に聞く腸たいせつな話
No.7 ≪ウンチ≫

免疫力は、ウンチの量で決まる?!

ウンチ研究のきっかけ

医師として、最初に行った海外先は、インドネシアのカリマンタン島でした。三井物産の木材部の顧問医として行ったのですが、当初は若い後輩たちと下痢ばかりの日々でした。

ところが、しばらくすると私だけが下痢しなくなったのです。一方、若いのは下痢してバタバタと倒れていく・・・。どうしてだろう? 

調べてみると、ウンチに差があることがわかりました。私のウンチは1日平均200gぐらいの量だったのですが、若い後輩たちはその半分でした。

実はウンチを見れば、その人の健康状態がわかります。ウンチの半分は死んだ腸内細菌と生きている腸内細菌です。

私たちの体の免疫力は、その70%を腸内細菌が作り出しています。ですから、腸内細菌が少なければ(=便が小さければ)、それだけ外敵から身を守る免疫力も低下します。

私だけが下痢をしなくなったわけは、まさに、腸内細菌の量が多かったから。私も最初は、カリマンタン島の、多少の病原性をもった菌に苦戦しました。でも、私の腸内には乳酸菌をはじめとするたくさんの腸内細菌たちがいたせいで、次第に、悪い菌が腸内にとどまらないよう、頑張って排除してくれたのです。

一方、ウンチが小さく、つまり腸内細菌も少なかった後輩たちは、病原菌を排除できるだけの腸内細菌がいませんでした。そのため、悪い菌が居座り、下痢も止まらなくなり、ついには倒れてしまったのでした。

腸内はチョイ悪菌も少し必要

前述した通り、私たちの免疫力の70%は腸内細菌が作ってくれています。

そのためには、腸内は善玉菌が多い良好な環境にしておくことが理想です。ただし、善玉菌だらけで、悪玉菌が全くいないのはダメです。

確かに、悪玉菌は多すぎると悪さをします。でも、悪玉菌も少しはいないと免疫は強化されないのです。

腸内は、悪いものが適当にいて、そいつを常にやっつけるような攻撃態勢をもっている菌たちもいる。この状態がベターです。つまり、平和すぎてもきれいすぎてもダメだということ。常に闘争体制で働かせておく状況にしておかないと、菌は活動を止めてしまうからです。

乳酸菌は酸をつくって腸内を酸性にして悪い菌が増えないようにしていますし、大腸菌も増えると悪さはしますが、実は野菜のセルロース分解をしたり、外敵をやっつけたり、いいこともしてくれています。

人と同じように、菌にもそれぞれの役割や個性があるというわけです。

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profile

藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

東京医科歯科大学名誉教授、医学博士。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。マラリア、フィラリアなどの免疫研究のかたわら、「寄生虫体内アレルゲン」、「ATLウイルスの電線経路」の発見など多くの業績をあげる。また免疫学を下敷きにしたユニークなエッセイストとしても活躍。著書に『笑うカイチュウ』(講談社・科学出版賞)、『清潔はビョーキだ』(朝日文庫)、『腸内革命』(海竜社)、『病気にならない乳酸菌生活』(PHP文庫)、『腸で寿命を延ばす人、縮める人』(ワニブックス)など多数

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