乳酸菌生成エキス研究室乳酸菌生成エキス研究室
腸博士・藤田紘一郎先生に聞く腸たいせつな話
No.12《自然免疫》

「自然免疫」を高めること。今はそれが大優先

見えてきた新型コロナの実態・・・自然免疫がものをいう

2019年の冬、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスは、予想外のスピードで世界中に拡散し、私たちの日常を一変させました。
 第2波、第3波の可能性が報道されている状況に、不安を感じている人も少なくないことでしょう。
 ただ、当初はよく見えてこなかった新型コロナの実態が、ここにきて少しずつ明らかになってきています。
なかでも、皆さんに知っていただきたいことは、「新型コロナは、自然免疫が高ければ、重症化しない」ということです。

寒い季節になって、感染再拡大の報道にふれると、不安や恐怖を感じてしまうことがあるでしょう。でも、自然免疫さえ高めておけば、もはやおびえることはないということがわかってきました。

免疫をつけて菌に強い体に

自然免疫とは

自然免疫とは、私たちが、日々の努力次第で高めることができる人体システムです。
 私たちの体には、病気を防いだり、治すために「免疫」というシステムが備わっています。

免疫の主役は、血液のなかにある「白血球」です。白血球とは、数種類もある免疫細胞の総称で、免疫細胞たちは、それぞれの役割を持って敵と戦っていきます。その連携プレーは見事で、チーム一丸となって病原体を排除、体の平和を守ります。

この白血球チームは、大きく分けて2グループで構成されています。それが「自然免疫」チーム「獲得免疫」チームです。

「自然免疫」は、生まれながらに体に備わったもので、常設の先発部隊。植物や昆虫、ミミズなども持っている、原始的な免疫システムです。
 この自然免疫を担当する免疫細胞たちは、血液やリンパ液に運ばれながら、体中をたえずパトロールし、「あやしい」と認識したすべてのものを攻撃していきます。

新型コロナに関しては、感染者の約8割が無症状です。不思議ですが、それは、その人たちの「自然免疫」が高く保たれ、初動の免疫細胞たちが頑張っているからです。

今回の新型コロナは、無症状の人たちがウイルス拡散させてしまうところが、やっかいなところなのですが、そうはいっても、やはり、自然免疫が高いということは、素晴らしいことなのです。誰もが自然免疫を高める取り組みをしていけば、亡くなる人も重症化する人も減っていき、社会がこれほどまでに大騒ぎする必要もなくなるに違いないからです。

獲得免疫のしくみ自然免疫のしくみ

ベターなのは、獲得免疫の出番がないこと 

重症化してしまうケースについても、お伝えしなくてはいけませんね。
 新型コロナに関しては、「獲得免疫」が動くと重症化しやすくなります。
獲得免疫とは、自然免疫系の次に動くグループで、免疫の後方部隊です。感染して初めて、そこから築かれる免疫システムで、自然免疫から伝えられた敵情報を分析し、対策をねってから戦うチームです。免疫システムの本丸ともいえます。

ただし、この獲得免疫が働きだすまでは時間がかかります(感染してから数日) いったん動き始めると、強いパワーで病原体を排除していくのですが、その分、体の中でおきる炎症も激しくなり、高い熱やせき込み、呼吸の不調、頭痛などのつらい症状が現れます。

さらに、炎症性サイトカインという物質がたくさん発生してしまうこともおこってきます。
 サイトカインとは、免疫システムを回すためには不可欠なたんぱく質で、さまざまな役割をもち、本来は体を守るために必要なものです。ところが、新型コロナの重症例では、炎症性サイトカインが大量に放出されてしまうために、急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅう きゅうはく 症候群:ARDS)や 播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ症候群:DIC)、急性循環不全ショック、多臓器不全などがおこってきています。これを「サイトカインストーム」と呼びます。

サイトカインストームがおこると命に危険が及びますし、予後が思わしくなく、退院後も倦怠感や息切れ、関節痛、胸部痛などの症状が長引く報告がされています。

こうしたことを防ぐためには、「自然免疫」の力がとても重要になってきます。自然免疫の力でウイルスを撃退し、排除できれば、後方部隊の「獲得免疫」を働かせずにすむからです。

インフルエンザと新型コロナ、考え方は同じ  

新型コロナについて、もう一つ明らかになっていることがあります。 それは日本人に限ってですが、新型コロナは季節性インフルエンザに比べ、圧倒的に死亡率が低いことです。それは、下のグラフをご覧いただくとよくわかります。

コロナとインフルエンザ死亡者グラフ

出典:「免疫をあげる食事術」藤田紘一郎先生著

このグラフを見ると、季節性インフルエンザでなくなる人のほうがはるかに多いことが一目瞭然です。 でも、冬に流行するインフルエンザに対し、私たちは、3密を恐れ自粛生活したり、経済活動をストップしたりしているでしょうか。していませんよね。

新型コロナもインフルエンザも、感染する人もいれば、しない人もいます。重症化する人がいる一方で、数日で治る人もいます。また、無症状のため、感染に気づかず、知らないままウイルスを運んでしまう人が多いのも、どちらも同じです。なぜなら、ウイルスとはそういう微生物だからです。

大切なのは、ウイルスより強い「自然免疫」をもつこと   

ウイルスは、微生物のなかで最も原始的な生き物で、寄生する相手(宿主)がいないと生きていけません。宿主に侵入し、その細胞内に入り込み、その正常な活動をさえぎって、ウイルスのコピーをつくらせるように仕組むのです。
 それができなかったウイルスは消えるしかありません。私たちも毎日懸命に生きていきているわけですが、ウイルスも生き残りをかけて必死に活動しているということです。つまり、「ウイルスの感染力」VS「人の免疫力」、どちらが強いかの闘いになってくるのです。

ですから、ウイルスが体内に入り込んでも、細胞を占領される前に退治できる免疫力を私たちが備えておけばよいのです。つまり、たとえ感染が成立してしまったとしても、自然免疫の段階で、ウイルスを排除できれば、重症化する心配も、命を落とす心配もないということです。

ウイルスが体内に入り込んでも、細胞を占領される前に退治できる免疫力

高齢者、妊婦、持病は要注意 

ただし、自然免疫が低下しやすい人たちがいます。下記にあげた人たちは、新型コロナに限らず、インフルエンザや風邪、胃腸炎などにかかりやすいので、注意が必要です。

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高齢者
 自然免疫の働きは “加齢の影響” を受けやすい性質があります。
 高齢者が重症化し、命を落としやすいのはこのためです。
持病のある人
 持病があると、その病気と闘うためにすでに免疫力が使われています。
 このため、新たな病原体と闘うための余力が十分ではありません。
妊婦
 妊娠中も自然免疫が低下します。しかも、妊娠時に肺炎になると重症化するリスクが高まります。
免疫抑制剤や抗がん剤を使っている人
 免疫力そのものを薬の作用で落としているわけですから、感染しやすく、重症化しやすくなります。
 

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免疫力が上がる食べ方

「自然免疫」を高めるのに、最良な方法は食事です。
 毎日の食事の内容によって、自然免疫力は高くもなれば、低くもなります。私たちが毎日とる食事こそ、免疫力を上げて新型コロナを防ぐ最大かつ最強の方法となるのです。

また、食事が効くのは「獲得免疫」も同様です。毎日の食事には、総じて免疫力を高める働きがあります。

ところで、食事をするときの3つの大原則があります。     

         
  • ①おいしいと言いながら(思いながら)食べること
  •      
  • ②好きな人と食べること
  •      
  • ③ニコニコ食べること

生き物にとって、食べる行為は、ものすごく大切です。生命の根幹です。免疫力は生命力ですから、食事と免疫力は密接に関係しています。食事時にストレスを感じると、どんなによいものを食べても免疫力は低下してしまうのです。よって食事は「おいしく、楽しく、ニコニコと」が大原則なのです。

家族で楽しくお食事

免疫力の7割は腸でつくられるから

では、免疫力に効く食事とはどのようなものでしょうか。
 一言でいえば、「腸によい食事」です。
 腸は人体最大の免疫器官で、人の免疫力の7割が腸でつくられています。(残りの3割は心です) したがって、免疫力を高めることは簡単です。楽しく、おいしく、腸の働きをよくする、腸内細菌が喜ぶような食事をすればよいのです。免疫力もおのずと高まっていきます。

腸内細菌のなかで、免疫力をとくにアップしてくれるのは善玉菌です。
 たとえば、善玉菌の代表とされる乳酸菌は、腸のなかを酸性にします。有害な微生物の多くは酸性環境では生きられません。つまり、乳酸菌には有害菌による攻撃を防ぐ作用があるというわけです。しかも乳酸菌には、その細胞壁にパワフルな免疫増強因子があって、腸の免疫細胞たちを刺激することもわかっています。

またビフィズス菌の菌体成分には、免疫増強物質がふくまれています。
 このように乳酸菌やビフィズス菌は免疫力を高めてくれるため、善玉菌と呼ばれるのにふさわしい働きをしています。

免疫上昇

一報、悪玉菌が異常に増えてしまうと免疫力が低下します。感染症にかかりやすい状態になります。ただ、悪玉菌の中にはビタミンを作り出したり、他の有害菌の定着を阻止するなど、私たちを守ってくれる働きもあります。

ですから、大切なのは、腸内細菌バランス。問題なのは、腸内で悪玉菌が増えすぎてしまうことです。異常に増加してしまうと、有害物質を作り出し、悪い腸内環境に傾き、免疫力の低下を引き起こし、血液も汚すことにつながるのです。

その原因を作り出すのが、毎日の食事です。バランスの偏った食事をして、悪玉菌のエサになるようなものばかり食べていると、とたんに悪玉菌は増えだします。

腸が喜び、免疫力が上がる食べ物

腸内環境がととのい、免疫が上がる食べ物を、かいつまんでですが、具体的にお伝えしましょう。

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◆土つき野菜
 加工されたものでなく、土壌菌がいるような自然のものを食べましょう。
◆キノコ
 病原菌などに対し、強い攻撃をしかけるβ‐グルカンが豊富。特に含有量が多いハナビラタケはおすすめ。
◆レンコン
 自然免疫を担う免疫細胞マクロファージは、LPSという成分(農作物の表面に多い)によっても活性化。根菜の中でも特に豊富なのがレンコン。キノコではとくにヒラタケが多く、レンコンの12倍のLPSが含まれています。
◆日本古来の発酵食品(味噌、醤油、酢、納豆、ぬか漬け、甘酒など)
 後述する「マイ乳酸菌」のエサにもなり、腸内フローラが豊かになります。
◆7色の野菜や果物でフィトケミカルをとる
 腸の働きに不可欠な食物せんいを「第6の栄養素」、そしてフィトケミカルを「第7の栄養素」と呼ばれるようになった昨今。このフィトケミカルの摂取量が、免疫力や体調、老化状態に大きく関与。1万種もあるフィトケミカルをバランスよくとるには、7色の野菜や果物を意識しましょう。

  • ・赤のフィトケミカル・・・トマト、スイカ、柿、赤パプリカなど
  • ・橙のフィトケミカル・・・ニンジン、カボチャ、みかんなど
  • ・黄のフィトケミカル・・・トウモロコシ、玉ねぎ、レモン、ゴールドキウイなど
  • ・緑のフィトケミカル・・・モロヘイヤ、ブロッコリー、オクラ、春菊、明日葉など
  • ・紫のフィトケミカル・・・ナス、黒豆、ブルーベリー、赤しそ、ブドウな
  • ・黒のフィトケミカル・・・ゴボウ、ジャガイモ、バナナ、緑茶、紅茶、コーヒーなど
  • ・白のフィトケミカル・・・大根、キャベツ、スプラウト、ニンニク、長ネギなど
  • 色鮮やかな野菜
  

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ただし、「食事が大切なのは、わかっているけど、なかなか現実は・・・」という方も多いことでしょう。私も、超多忙な出版社の編集者さんや、講演会参加くださった方などから、たびたび、この種の相談をされることがあります。

そんなときには、私が日常的に摂っている「乳酸菌生成エキス」をおすすめしています。
 乳酸菌をとるには、ヨーグルトをとればよいと思うかもしれませんが、実はそう簡単ではありません。なぜなら、乳酸菌は自分の腸に赤ちゃんのときから住み着いている自分と相性のいい「マイ乳酸菌」ではないと腸内に定着できず、免疫力サポートまではできないからです。

その点、この「乳酸菌生成エキス」は、生きた乳酸菌ではなく、すでに自分の腸内にすみ着いている「マイ乳酸菌」を増やすので、相性や定着の心配がいりません。
 また、このエキスには乳酸菌の菌体成分が含まれているのですが、その働きは腸内の免疫組織や腸のなかにあるパイエル版に働きかけて、アレルギーの抑制やNK細胞の活性化をサポートするといわれています。

免疫をつかさどる腸内環境は、加齢やストレス、生活習慣の乱れなど、ささいなことでも揺れてしまいます。食生活を見直し、「乳酸菌生成エキス」など腸の健康に有効なものを取り入れ、「自然免疫」を高めておきましょう。
 それが、新型コロナなどの感染症を防ぐだけでなく、ガンや糖尿病、脳梗塞、うつ病などあらゆる病気の予防となり、改善していくことにつながります。

免疫力を上げる食事術

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藤田先生が10年愛用している「乳酸菌生成エキス」とは?

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藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

藤田 紘一郎(ふじたこういちろう)

東京医科歯科大学名誉教授、医学博士。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。マラリア、フィラリアなどの免疫研究のかたわら、「寄生虫体内アレルゲン」、「ATLウイルスの電線経路」の発見など多くの業績をあげる。また免疫学を下敷きにしたユニークなエッセイストとしても活躍。著書に『笑うカイチュウ』(講談社・科学出版賞)、『清潔はビョーキだ』(朝日文庫)、『腸内革命』(海竜社)、『病気にならない乳酸菌生活』(PHP文庫)、『腸で寿命を延ばす人、縮める人』(ワニブックス)など多数


当社は“腸の大切さをより多くの方にお伝えしたい”という先生のご意思に共感し、先生が長年続けてこられた啓蒙活動を少しでも引き継ぐべく活動してまいります。(藤田先生のご家族にもご了承いただいております)
なお、藤田先生のご出身大学であり、名誉教授も務められていた東京医科歯科大学の基金の理念にも賛同し、医学生育成にも微力ながら支援してまいります。

株式会社ビーアンドエス・コーポレーション

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